屈折式望遠鏡 STL80A-MAXI (アタッチメントプレートと鏡筒バンドと6x30ファインダー付き)

価格: ¥54,780 (税込)
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stl80a-maxi


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対物レンズ

■口径 80mm

■焦点距離(しょうてんきょり) 1200mm

■4面マルチコーティング (HTM コーティング )
最大透過率 99.9 %以上(一面・実測値/ d 線 587nm 平均透過率 400nm~700nm 99.8% 以上)

■対物レンズ艶消しコバ塗り

鏡筒(きょうとう)

■鏡筒外径  83mm

■遮光環 鏡筒部3枚 接眼部1枚

■内部遮光塗料  2度吹き

■ファインダー  6X30 付き

■専用鏡筒バンドおよびビクセン規格アタッチメントプレート付き(ポルタ経緯台等に接続可能)

接眼部

■31.7mm アメリカンサイズ/36.4mmP1mmねじ込み接眼レンズ対応(内径 37mm )ドローチューブ、繰り出し機構 ラック&ピニオン式。

鏡筒重量

■鏡筒のみ2.1kg

■6×30ファインダー(脚付)200g

■鏡筒バンド+ビクセン規格アタッチメントプレート400g

初回ロット

■35本


商品コンセプト

クラシックな長焦点アクロマートです。焦点距離が長いので低倍率は出しにくく、面積の広い星雲や星団の観察には不向き。オールマイティには程遠い仕様です。また、この長さも扱いが難しく、三脚と架台には通常の10cm屈折を載せる場合と同様の頑丈さが求められます。しかし高倍率での月、惑星観察に関しては、8cmアクロの常識を超える像を見ることが可能です。


この8センチ F15 長焦点アクロマート鏡筒復活までの道のりをご紹介しましょう。


最近見掛けなくなった長焦点のアクロマート屈折望遠鏡。復活させる事は出来ないかと考えたきっかけは、とあるリサイクルショップで見つけたミザール「カイザー」を手に入れたことでした。


その8センチの屈折望遠鏡は37年も前に製造されたものです。アクロマートレンズの性能を引き出すため、F15・1200mmという長い焦点距離で設計された巨大な望遠鏡でした。販売当時、口径8センチといえば上級機でしたが、すでにレンズにカビが生え、修理を必要としていたので、駄目もとでミザールに持ち込み、レンズのオーバーホールをお願いしました。


結果、奇跡的に蘇った「カイザー」を星空に向けると、その視界は想像以上にクリアー! 短焦点アポクロマート鏡筒を最上と考えていた私には衝撃的でした。(もちろん色収差という点ではアポクロマートは極めて優秀ですし、ある程度の焦点距離があるアポクロマートは、解像力を損なう球面収差も少なく良く見えます。)


最近は口径比が7を切るような外国製のアポクロマート鏡筒が人気を集めていますが、組立調整が甘く性能には大きなバラツキがあります。また二枚玉のアポクロマートでは、収差が取りきれず、色収差や球面収差が非常に目立つものも多いです。そうしたアポクロマートに比べ、驚くべき事に8センチのアクロマートを搭載したカイザーはよっぽど良く見えるのです。


屈折望遠鏡は同一形式の対物レンズで(例えばアクロマートどうしで)比べた場合、焦点距離が長くなればなるほど、色収差が激減し、球面収差も小さくなるものです。しかし、F15・焦点距離1200mmのアクロマート鏡筒にここまでの実力があったとは・・・

アクロマートは、特殊な硝子を使うアポクロマートに比べ製作にかかる費用が圧倒的に安く、また硝子材の品質も安定しているのが特徴です。これを今作ったら面白いのではないか・・・しかし8センチF15焦点距離1200mmのアクロマートレンズは、もう優に30年近く作られていないのです。今現在作られている8センチのアクロマートレンズは、入門機用の焦点距離900mm程度のものです。中国製品の台頭で、それさえ日本のレンズ工場では磨かれなくなっているのが現状です。


再生産のためには、口径80mm 焦点距離1200mmの対物レンズを磨ける研磨皿が残っているかが問題でした。研磨皿が無ければ、研磨皿を作成しなければならず、数万個を発注がない限りはコスト的に見合いません。しかし、小さな日本市場に置いて、ある意味古典的なこの望遠鏡はそんなに沢山売れるとは思えません。すなわち、研磨皿がないということは、8センチ F15 の鏡筒を今後再生産する事はできないということです。


しかし、研磨皿はなかなか見つかりませんでした。この企画をすっかり忘れかけた昨年の秋頃、後生大事に 1200mm 用研磨皿を保存していた工場の存在を知りました。レンズの研磨ではかなり有名な会社の工場です。偶然が重なった、奇跡的なその経緯はまたの機会に譲りましょう。とにかく この21世紀に、8センチF15の長焦点アクロマートを復活させる路ができたのです。

試作と仕様変更を繰り返し、予定を大幅に遅延しましたが、 80AL-MAXI がようやく登場しました。見え味に影響する部分に徹底的にコストを投入しました。内面の艶消しやレンズのコバ塗りなどコントラストを低下させる原因となる部分は特に気を使い高級機並みの仕様とし、特に対物レンズ4面に施されたコーティングは、研磨工場とは別会社に依頼し従来の天体望遠鏡にはなかなか無いレベルのマルチコートが施され比類ない高透過率を誇ります。


しかし見え味に影響しない部分は普及品タイプのドローチューブを採用したり、対物レンズのセルは光軸修正装置の無いものを採用するなど、徹底したコストダウン策をとり、お求めやすい価格で最高レベルの見え味を実現すべくがんばりました。

さらに私は、今回、この望遠鏡の生産を通してある事を学びました。きちんと研磨され、芯取りされ、組付けられたレンズの見え味は、最近はやりの口径が大きいだけのウドの大木より、ずっとシャープで良く見えると言う事を… 。

シンチレーションの良い日に、実視による星像テストを行いました。国産品のアクロマートでしか実現し得ない「針で付いたような星像」が、このレンズを磨いた K 光学の技術力の高さを物語っていました。


また、同様に好シンチレーションの日にプロトタイプ機でお客様と土星を観察する機会がありました。その際には、口径 mm 3倍に当たる 240 倍で、他のアポクロマートレンズを搭載した高級鏡筒と比べても、像の崩れが少なく極めて優秀な光学系である事が証明されました。

4万円台で、比類なき高性能と言いきれる STL80A-MAXI 。 8 センチなんて小口径と馬鹿にする方もいるかもしれませんが、ひとたび覗いてみれば侮れない高性能な望遠鏡である事を分かって頂けると考えております。


80a-maxi1
↑STL-80A MAXI マルチコート仕様(本製品・写真上)とシングルコート仕様(試作品・写真下)。
透過率の高さは一目瞭然!

80a-maxi2
↑鏡筒バンド/ビクセン規格アタッチメントプレート/ファインダーが標準添付品です。

80a-maxi3
↑ポルタ経緯台(別売)に搭載した写真です。フレキシブルハンドル500mmの同時購入 がお勧めです。

80a-maxi4
↑マルチコート 透過率実測グラフ(最大透過率99.9%!)

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